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陥没乳頭
- 監修
- 日本専門医機構認定
形成外科専門医
ティーズクリニック院長
田牧 聡志
陥没乳頭について
<保険診療>
乳頭(乳首)が陥没した状態であったり、平坦な状態であったり、する場合には、「陥没乳頭」と言われます。陥没乳頭が重度の場合は授乳ができなかったり、炎症を起こしたしするリスクもあります。治療法である「乳頭形成術」は非常に難しい手術なのですが、ティーズクリニックでは2021年実績で約78症例(約114乳頭)の手術を行なっています
図1.陥没乳頭(日本形成外科学会HPより)
写真1.陥没乳頭 Grade-2
疫学
発生頻度は、1.8 - 3.3%程度ですが(*1)、ある報告では10%程度にまで上昇している、とも言われています。先天性の場合で9割近くは両側性と言われ、片側は少ないようです。実際、陥没乳頭で悩まれている女性はかなり多く、悩みを抱えているのが現状です。また、陥没乳頭形成術では再発することがあると言われています。詳細は「合併症」を参照ください。
また、陥没乳頭形成術では再発することがあると言われています。詳細は「合併症」を参照ください。
ティーズクリニックは東京は錦糸町にて陥没乳頭と戦っております。
原因
陥没乳頭の原因は、乳腺で作られた母乳を乳首まで運ぶ乳管が乳房の成長に追いつかずに未発達で短かったり、先天的な乳腺の異常で乳管が短かったりすると、乳首が乳管に引っ張られて陥没するといわれています。(*1) 欧米の食生活への変化に伴い、以前の日本人に比べるとバストの大きいな女性が増加していますが、並行して陥没乳頭も増加していると考えられています。
陥没乳頭チェック
▫️乳頭に刺激を与えることで乳首が飛び出してくる
▫️時間が経過すると飛び出していた乳首が元の凹んだ状態になる
⇨仮性の陥没乳頭です。乳首から母乳を直接授乳することができますが、見た目が気になって悩む方もいます。
▫️乳頭をどんなに刺激しても、全く乳頭が出てこない
⇨真性の陥没乳頭です。将来、乳首から母乳を直接授乳することができません。見た目だけではなく機能としても問題がある場合もあります。
仮性でも真性でも手術によって常に乳頭が出ている正常な状態にすることができます。
陥没乳頭は仮性も真性も、へこんでいる部分に垢や汚れがたまり、雑菌が繁殖しやすい不衛生な状態になります。細菌が繁殖して、乳腺炎という病気になるリスクが高くなります。
見た目の問題、機能の問題、健康面の問題からみても、陥没乳頭の治療をおすすめします。
分類
<酒井分類>
酒井成身 (2000) による分類は以下の通り(*2)。
Grade 1
陥没乳頭を簡単に徒手的に整復できるが、いずれまたもとに戻る。
Grade 2
何とかピンセットなどで引き上げると整復できるが、離すと陥没する。
Grade 3
手術によらなければ乳頭は出てこない。
<ティーズクリニック酒井サブ分類>
更に詳細に、ティーズクリニックでは、酒井先生の分類にサブ分類を作っております。
Grade 0
正常な乳頭である。
Grade 0.5
ごく軽度に乳頭先端に陥凹がある。
Grade 1
陥没乳頭を簡単に徒手的に整復できるが、いずれまたもとに戻る。
Grade 1.5⇒ここから保険診療としています。
慣れた医療従事者が何とか徒手的に引き上げると整復できるが、離すと陥没する。
Grade 2
何とかピンセットなどで引き上げると整復できるが、離すと陥没する。
Grade 3
手術によらなければ乳頭は出てこない。
+表記:乳頭組織に委縮(足りない組織がある)を評価に加えています。
例:Bil.G-3+/3+(両側の乳頭萎縮があるGrade3)
ティーズクリニックの陥没乳頭形成術の特徴
デリケートな箇所のため傷跡を心配してなかなか手術に踏み切れない方が多いようですが、
ティーズクリニックなら乳輪縮小術や乳頭縮小術といった乳房関連症例も手掛ける 形成外科専門医であり、美容センスを求められる自由診療で数多くの実績を持つ美容外科医でもあるので、 術後の美しさを重視した陥没乳頭修正を行います。
治療法
実際の治療法として、当院で行っている方法が「酒井法」です。重症度に合わせて、I法、II法を使い分けいて行います。II法への選択は、状況に合わせてI法から変更することが可能です。
乳頭(ちくび)を二つに割って、縮まってしまった乳管を皮膚から引き離すことで乳頭の陥没を修正します。
酒井I法(II法はこの方法に小皮弁が追加されます。)
形成外科専門医施設である当院で酒井法を行う場合でも、再発のリスクはあると言えます。また、再発を極力なくすためにも術後のケアが非常に重要となりますので、患者さんの協力も必要となります。
その際のリスクや可能性、また術前に、再発時にどのような対処方法があるかも、しっかりと説明いたします。
合併症
・・・可能性が多いもの順に列挙してあります。
術後の変形:
術後に乳頭が変形(coffee-beans様変形)してしまうことがあります。状況に応じて再手術を行うことで対応します。授乳できる形態(形)にすることが目的となりますので、ある程度の変形の可能性をご理解頂いております。
陥没の再発:
陥没乳頭の手術「陥没乳頭形成術」は、再発リスクの高い手術と考えられております。10%の確率で再発するということも言われていますので、慎重に手術を行う必要があります。再発した場合、陥没が強い場合は再度の手術も行います。
乳頭下血腫:
作成した乳頭の下層に血が溜まることで起こります。予防措置としてドレーンという管を用いますが、それでも起こってしまう場合もあります。
乳頭壊死:
非常に稀で殆ど生じることはありませんが、血腫などが生じた場合、血流障害が起こり乳頭が一部死んでしまう可能性もあります。
文献
*1 波利井清紀(監修)、矢野健二(編著)、館正弘(1)、武田睦(2)(参考部執筆)、2010、『形成外科ADVANCEシリーズ II-5 乳房・乳頭の再建と整容 最近の進歩 第2版』、克誠堂出版
(1)(2)東北大学形成外科教室
*2 市田正成、谷野隆三郎、保阪善昭(編)、2000、『美容外科手術プラクティス2』、文光堂
- 乳頭が刺激しても出てこないため、授乳が困難になることが心配な方
- 他院で手術を受けたが元に戻ってしまった方
- 乳腺炎や乳頭周囲の炎症を起こしたりした方
- 乳頭に白い乳汁のカスが溜まっている方
- 東京で保険適用を使い治したい方
陥没乳頭に関する当院の
- 手術方法と再発率との密接な関係
- 経験上、手術方法で再発率は変わってきます。当初、当院もハンモック法(三角弁を2枚作成してハンモック状に形成して吊り上げる)を用いていましたが、再発が多いため、現在は酒井法を行っています。実際には症例により5%未満、5-10%、10%以上と再発率も違ってきますが、できるだけ再発をさせないように工夫をしております。
- 美容・健康・授乳機能のすべてが叶う
- 陥没乳頭形成術では再陥没の多いと言われていますが、当院では多くの症例を経験している形成外科専門医ですので安心です。当院では多くの再発症例も手術しております。
- 形成外科専門医
- 当院の田牧院長は、日本形成外科学会専門医であり、乳頭縮小術や乳がんへの再建術等の形成外科疾患を多く経験しておりますので安心です。
- 年間症例数100件以上
- 2019年(12月まで)の症例数は約60件程度(約110乳頭)行っております。
2020年の症例数約80件(約130乳頭)
2021年の症例数約78症例(約114乳頭)
- 東京の錦糸町での地域密着
- 診療および治療、施術は回数が必要なことが多いですから、院長を含めクリニックスタッフとの信頼関係は非常に重要です。
ティーズクリニックでは錦糸町駅徒歩3分の地元ならではの親密な診療を心がけ、アットホームで通いやすいクリニックを心掛けております。
各施術法のご案内
陥没乳頭形成術 | 陥没乳頭形成術は、妊娠適齢期の患者に限り保険適応となっております。 実際の治療法として、当院で行っている方法は再発率が最も少ないとされる「酒井法」です。 母乳の通り道の乳管を傷つけないように、慎重に乳頭(乳首)を切開します。縮まってしまった乳管を皮膚から引き離すことで乳頭の陥没を修正します。 形成外科専門医施設である当院で酒井法を行う場合でも、再発のリスクはあると言えます。また、再発を極力なくすためにも術後のケアが非常に重要となりますので、術後に専用のパッド類を使用して頂き、再発を予防していきます。 |
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3割自己負担 |
施術の流れ
ご予約
電話もしくはウェブで
診察の予約をしてください。
0120-853-878
診察(全て女性看護師同席による診療)
女性看護師がご案内し、術前診察により乳頭の状態を確認します。
状態に応じて、陥没乳頭形成術の説明を行い、同意書を作成していきます。また、術前検査として採血検査を必要とします。
女性看護師が診療に一緒に入りますから、医師は原則、乳頭の状態のみを見るように配慮しております。
手術(採血検査後5日以降)
術前写真を撮影した後に、デザインを行います。
局所麻酔を使用しますので、施術中の痛みは殆ど感じません。(※痛みの感じ方には個人差がありますので、非常に稀に痛みを感じる方もいらっしゃいます。)
麻酔が十分に効いた後に、乳頭を二つに分けるように切開します。縮こまった乳管(乳汁を通す管:乳管束・主乳管)を分けるようにして引き延ばします。形が出来上がったら、乳頭の根元をしっかりとした吸収糸で縫合した後、皮膚を非常に細い糸を用いて丁寧に縫合していきます。
術後には再陥没しないように固定具を用いて保護します。手術時間はgrade(重症度)によって変わりますが、1時間程度です。
手術も女性看護師の案内で進められていきますので安心です。
術後経過
術翌日、受診し状態を確認します。
その際に、フィルムにて全体をカバーしますので、シャワーは可能です。フィルムが剥がれないように優しく洗ってください。
ガーゼ&フィルムによる固定期間は1~2週間を要します。その後にはスポンジのパッドによる固定が半年以上必要です。その期間は緩めのブラで保護するようにします。
詳細は女性看護師がやさしく説明してくれます。
仕上がり
授乳はできるようになります(授乳が保証できるわけではありません)。
乳頭周囲に傷跡は残りますが、乳頭内ですから目立たないことが多いです。
仕上がりに左右差が生じる可能性があります。
陥没の程度によっては傷の治りが遅くなることがあります。
症例1
以前、他院で陥没乳頭に対して陥没乳頭形成術を行った20代の方です。
瘢痕が残っているため少し難しい症例と言えます。当院で、再修正術(3回目の手術)を行いました。
術前写真:
乳輪内の白っぽい箇所が前回の手術瘢痕(手術傷跡)です。
術後写真3カ月:
術後3カ月ですから少し赤みがありますが、形態は良好です。
副作用は、内出血や乳頭部分壊死や色素脱失です。もちろん、再発の可能性もあります。
保険診療にて自己負担3割です。
また、保険適応には「授乳を前提にする。」ことが必要となります。
症例
症例2
症例:他院修正の陥没乳頭手術
治療内容:乳頭を2つに分割し、縮まっている乳管を離し皮膚から引き伸ばすことで乳頭の陥没を修正します。
リスク:術後変形、再発、乳頭下血腫、乳頭壊死等
費用:保険適用
よくある質問
料金表
保険診療
乳頭形成術(片側) | ¥22,050 |
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