耳介形成術(立ち耳)症例5

耳介形成術(保険診療)

正面写真から外観上の耳の突出を確認することで、立ち耳と思い受診される方が多くいらっしゃいます。
しかしながら、保険診療上はしっかりとした立ち耳の定義が存在し、その診察の際にその定義に沿って手術が決まります。

<立ち耳の定義>
①cephalo-auricular angle が40度以上
②mastoid-auricular distance が2.5cm以上
scapho-conchal angle が150度以上(耳甲介と)

上記の定義の中から、一つないしそれ以上の範囲でとなった場合に「立ち耳」との診断が付けられます。

術前デザイン

立ち耳手術症例5_術前

 

手術解説:

20歳前後の立ち耳の症例です。
術前の診察では、①cephalo-auricular angleは40度以上、②mastoid-auricular distanceが3.0cm以上、③scapho-conchal angleが165度、と全ての項目において立ち耳との診断となりました。

本症例では、耳介正面(耳を平面に例えて、その垂線方向から見た様子)からの形態に着目した術前後での比較を行うことで、どのように変化したかを説明していきます。

耳の解剖名称から、舟状窩ははっきりとしていません。また、耳輪脚の上行脚が平坦であり、結果的にscapho-conchal angleが広くなり立ち耳が一層強くなってしまっています。

術前のデザインが上行脚の峰に沿って描かれています(十字のマークは固定部位を示します)が、対耳珠端(マーキングあり)からどの程度の位置に軟骨の固定をするかを、決めています。

立ち耳手術症例6舟状窩

舟状窩

立ち耳手術症例6耳輪脚

耳輪脚(上下):上行脚と下行脚

手術1週間後

手術から1週間は、内出血を予防するためのボルスター固定を行います。写真はボルスター固定(耳の溝に合わせてガーゼを固定する)が外された直後であり、手術に必要なデザインの痕跡や若干の出血も認められます。
形態はすでに、立ち耳は解消され、しっかりと寝てしまっています。左耳の特に上行脚は腫れが強く出て、輪郭が不鮮明です。

立ち耳手術症例5_術後1週間

 

手術後1ヶ月

術後1ケ月では、すでに縫合固定によって固着する位置に止められた軟骨同士は、ほぼ固着してしまうため、簡単に引っ張っても固定糸が切れても元に戻ることはありません。しかしながら、この時点では思い切り引っ張ると軟骨が避けてしまい固定が外れてしまう可能性がありますので、ラグビーや柔道などの激しいスポーツは難しいかもしれません。
左右の角度(左が少し曲がってしまっています。)が若干違いますが、上行脚に注目すると峰がシャープになっています。

 

立ち耳手術症例5_術後1ヶ月

 

手術後3ヶ月後

手術は3ケ月で完成としています。この時点では何をしても外れてしまうことはないので、どのようなスポーツを行っても問題ありません。
※左耳は手術後はピアスをされてているので、ピアス部分を隠しております。

立ち耳手術症例5_術後3ヶ月後

 

 

術前と術後の比較

本症例は、上行脚に着目して、その部位を目立つように比較しています。耳甲介腔がきれいに湾曲していて良い結果となっています。
バランスの良い耳介が形成されています。

立ち耳手術症例5_術前術後

 

術後解説:

手術をすることで、上行脚がしっかりと折り込まれ、峰がはっきりと突出していることがわかります。
術後の評価として、βが狭くなり立ち耳が改善され、綺麗な耳介が形成されるのです。

立ち耳手術症例6説明図

上行脚(青線)がはっきりして耳甲介腔の張り出し(青矢印)

症例:耳介形成術

リスク・副作用:内出血や痛みは必ず可能性があります。
内出血が耳介の変形(柔道耳)至ることもあるので注意が必要です。術後の固定ではしっかりとボルスター固定を行い、内出血による変形などを予防します。1-2週間程度は我慢です。

耳介形成術では、完全に左右対称にできない可能性もあります。

料金:保険診療です。

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